第5回:「タバコと栄養」〜ビタミンC編〜
タバコと栄養についてはあまり関係がないと思われるかもしれませんが、タバコによって必要な栄養素の不足を招いたり、 がんや動脈硬化をはじめとした喫煙や受動喫煙が原因の健康障害を少しでも減らすために、たくさん取りたい栄養素があります。
まず第一番目にご紹介したい栄養素は「ビタミンC」です。
ビタミンCは、タバコを1本吸う毎に25mg(レモン1個以上)が破壊されると言われます。酸化による悪影響を予防する作用を 「抗酸化作用」といい、ビタミンCは、食品の酸化を防止するために缶ジュースなどに添加されることもある栄養素です。 タバコの煙に含まれるニコチンやタールなどの化学成分を吸うと、身体の中で活性酸素がたくさんでき、がんや動脈硬化のリスクを高めます。活性酸素はビタミンCの抗酸化作用により 身体の中で無毒化されますが、抗酸化ビタミンCもこのとき破壊されてしまいます。
ビタミンCには抗酸化作用だけでなく、免疫力を高め細菌やウイルスに対する抵抗力を高める作用、血管を丈夫にする作用、鉄と結びついて鉄の体内吸収を良くし 貧血を予防する作用、ストレスに対抗するホルモンの分泌を助ける作用、コラーゲンを生成して肌やつめをきれいにし、しみやそばかすを防ぐ美容作用など、 多くの作用があります。 1日の成人に必要な摂取量は100mgですが、タバコを吸う人や受動喫煙のリスクが高い方はビタミンC不足に陥りやすく、タバコによる健康障害を予防するためにも ビタミンCを多く含む食品やサプリメントなどからビタミンCを多く取ることをお勧めします。
●日常使用量当たりのビタミンC含有量
含有量(mg)日常使用量
レモン20mg1個農林水産省新食品ガイドライン
レモン汁15mg1個分五訂日本食品標準成分表
64mg1/2個
キウイフルーツ59mg1個
イチゴ48mg5粒(78g)
グレープフルーツ38mg1/2個
小松菜33mg1/3束
ほうれん草32mg1/3束
ピーマン26mg1個
トマト15mg1/2個


タバコと栄養 〜ビタミンA編〜